魚の体表やヒレなどに白いブツブツとしたものが覆っている場合、
それは白点病かもしれません。
白点病は飼育環境下ではよく見られる代表的な魚の病気です。
感染初期には白点を目視することができませんが、
魚が体表をこすりつけたり体を小刻みに震わせる動作をしている場合は白点病に感染している可能性が高いと言えます。
重症化すると体全体が白点で覆われ、
病状が進行しエラなどに白点が発生すると呼吸困難になり死んでしまうこともある為、
早期発見、早期治療が基本となります。
目次
白点病の原因
繊毛虫(せんもうちゅう)の一種で、
ウオノカイセンチュウという寄生虫が魚に寄生することで発症します。
ウオノカイセンチュウは常時水槽内にいるような存在で、
魚が健康的で元気な状態の場合は問題無いですが、
水温の急激な変化や水質悪化などにより魚がストレスや弱った時に寄生され白点病を発症します。
寄生虫の侵入経路
基本的に寄生虫は水槽内で自然発生することはありません。
主な侵入経路としては、
ペットショップから購入した魚や水草、流木、石などに付着していたものが水槽内に蔓延します。
こういうと我が家の水槽内には断固として侵入させたくない!
と感じるかもしれませんがほぼ不可能だと思って下さい。
白点病はアクアリストであればほぼ100%通るであろう、
一般的な病気(人間で言うと風邪のようなもの)なので、
しっかりと治療法を身につけて頂ければと思います。
ウオノカイセンチュウのサイクル
ウオノカイセンチュウは、
仔虫(0.03-0.05mm)の状態で魚に寄生し、魚から栄養を吸収する事で大きくなり、成虫になると宿主(魚)から離れ、シストという固い殻に覆われたサナギのような状態になり、中で分裂を繰り返し増殖します。そして再び仔虫として水中を漂い魚に寄生するというサイクルを繰り返し行っています。
分かりやすいイラストを見つけたので下記参照して下さい。
引用:https://nettaigyoaqua.net/sick/white-spot-disease.html
白点病の治療法
白点病の具体的な治療法としては下記4点があります。
①薬浴
②塩浴0.5%
③水温を高くする
④2-3日に1回換水
薬浴
薬としてはメチレンブルーやマラカイトグリーンを使用します。
市販の魚病薬でいうと
アグテン、グリーンF、ニューグリーンF、グリーンFクリアー、グリーンFリキッド等が効果的です。
ちなみに店長のお店では主にアグテンを使用しています。
つまり、仔虫の状態か成虫になり魚から離れた瞬間~シスト化するまでの期間でないと薬の効果を得られないという事です。
仔虫から寄生しシスト化して再び仔虫になるサイクルは約1週間程度と言われているので、
少なくとも薬浴は1週間は継続しましょう。
尚、薬浴と一緒に塩浴も一緒に行うと効果的です。
水温を高くする
ウオノカイセンチュウは25度以下の低水温を好み、
30度程度の高温になると活動を停止するので徐々に水温を高くして下さい。
一気に水温を上げると魚への負担を大きい為水温を上げる際は徐々にです。
1日に1度ぐらいのペースで水温をあげていきましょう。
尚、サーモスタット付きのヒーターでないと温度設定はできないので注意して下さい。
2-3日に1回換水
シスト化した状態のウオノカイセンチュウは水槽の底の方にたまっているので、
底の方から水を抜くようにして下さい。
ホースで物理的にウオノカイセンチュウを吸い取り、
数を減らすイメージです。
換水は2-3日に1回約1/3程度行って下さい。
また、抜いて新たに水を入れた分、
薬と塩をを追加する事を忘れないで下さいね。
まとめ
・白点病の原因はウオノカイセンチュウ
・白点病は早期発見早期治療が基本
【治療法】
①薬浴
②塩浴0.5%
③水温を高くする
④2-3日に1回換水