2017年9月27日

こんちは!
店長です。

水槽の底に敷いてある砂。
あれは単に入れてるだけでなく、あの砂にも実は色々と役割があるんです。
今回の記事では、その水槽の底に敷く底砂について初心者の方にも分かりやすく説明していきたいと思います




底砂とは

アクアリウムにおいて底砂とは、読んで字のごとく水槽の底に敷く砂の事を指します。底砂以外にも底床(ていしょう)、底床材などとも呼ばれます。

 

底砂を敷く理由

底砂に関しては飼育する熱帯魚の種類にもよりますが、必ず敷かなければならないというものではありません。(砂の中に潜るような熱帯魚の場合は例外です。)では、なぜ底砂を入れるのか?それは、水草を植える為だったり、レイアウトの一部として使われたり、水質維持生体の色揚げの為に使われます。

 

底砂の効果

水草の育成

アクアリウム内に水草をレイアウトしたい場合は、植え付ける為の底砂が必要となります。底砂は水草が根を張るための土台としての役割、水草が成長する為の必要な養分を与える役割があります。その為、水草育成にはどんな底砂でも良いというわけではなく根張りがよく、水草が成長する為の養分を多く含んだ底砂を選ぶ必要があります。後ほど詳しく説明しますが、水草水槽にはソイルという底砂が主に使われます。

水質維持 -ろ過バクテリアの繁殖-

水槽内では、エサの食べ残しや魚の排泄物により有害物質が溶け出し日々水質は悪化していく為、有害物質を分解してくれるろ過バクテリアを繁殖させる必要があります。有害物質をろ過バクテリアが分解する事を生物ろ過といいます。このバクテリアが住み着く場所をろ材と言いますが、底砂はそのろ材の役割も果たします。特に、多孔質構造(小さな穴がたくさんあいたもの)の底砂の場合その効果が大きいです。

生物ろ過に関しては下記記事で詳しく説明しています。
http://tentyo.com/roka-bakuteria

生態の色揚げ

熱帯魚には、底砂の色の影響によって体の色を変化させる種類が多くいます。特に底を這うような種類の熱帯魚に多いのですが、色の濃い底砂の場合体色は濃くなり、淡い色の底砂の場合体色も淡い色となります。この特徴を利用し、熱帯魚の特徴でもあるキレイな体色を濃くするテクニックもあります。

レイアウトの一部

アクアリウムの楽しみは生体を飼育するだけで無く、水槽内の景観をより美しく、よりキレイにレイアウトするのも楽しみの一つです。まるで森の中を魚達が悠々と泳いでいるように見えるものや、より自然界に近い状態を演出したりとアクアリウムは本当に奥が深いです。一度「アクアリウム 画像」で検索してみて下さい。目を奪われるような本当に美しいレイアウトのものがたくさんありますよ。底砂はそのレイアウトの一部として水槽全体の印象を変える大きな役割を果たします。

 

底砂の種類

底砂とは言われていますが、砂に限らず色々な種類があります。

ソイル

水草を飼育する際に使用する底砂です。(水草飼育の場合は、ソイル一択と言えます。)
直訳すると土ですが、形状としては焼き固められた丸い粒状のもので、水の中に入れても舞い上がらないようになっています。多くの栄養分を含んだ土なので水草水槽には最適の底砂です。劣化する為1年~2年程で買い替える必要があるというデメリットもあります。

詳しくはこちらの記事をご覧下さい
※作成中

砂・砂利・大磯砂

自然にある砂です。粒の大きさや、採取できる場所(川や海など)によって呼び名が違います。何度も洗え、半永久的に使えるのがメリットです。主に、水草の無い生体メインの水槽に使われる事が多くレイアウトの一部として使われます。

また、大磯砂は海で採取された砂の為貝殻が混じっています。貝殻からは炭酸カルシウムが溶け出し、水槽内の水をアルカリ性に傾ける性質があります。アルカリ性を好まない生体や水草を飼育する際は注意が必要です。

セラミック

セラミックの意味は、無機物を焼いて固めた焼結体、陶器や陶磁器の事を指しますが、アクアリウムにおいては、土を焼き固めた底砂の事をさします。ソイルと比べるとかなり固い為、何度も洗う事ができ半永久的に使用する事ができます。主に、水草の無い生体メインの水槽に使われる事が多くレイアウトの一部として使われます。また、多孔質構造のため、その小さな穴にバクテリアなどの微生物が住み着きやすく、水質維持に役立ちます(生物ろ過)。セラミックには、水質を酸性に傾けるものや、アルカリ性に傾けるものなど色々と種類がありますので飼育する熱帯魚に合わせて購入してください。

溶岩石

読んで字のごとく溶岩が冷えて固まった石の事です。大小様々なサイズがある為、細かなものが底砂として使用されます。大きなサイズの溶岩石は、水槽内のレイアウトの一部として使用されます。溶岩石は多孔質構造のため、その小さな穴にバクテリアなどの微生物が住み着きやすく、水質維持に役立ちます(生物ろ過)。そのまま洗う事もできるので、半永久的に使用する事ができます。主に、生体メインの水槽に使われます。ゴツゴツとした石の為、砂の中に潜る魚やコリドラス等底をはうような魚を飼育する際は避けるべきです。

サンゴ砂

サンゴの死骸が細かく砕けて砂のようになったものです。カルシウムを多く含むため、硬度、pHを上昇(アルカリ性に傾ける)させるという特徴を持っています。また、養分も含まない為水草水槽には不向きです。徐々に削れてしまう為、半永久的には使えません。また、多孔質構造のためその小さな穴にバクテリアなどの微生物が住み着きやすく、水質維持に役立ちます(生物ろ過)。